(IT) 学園祭の思い出

急に秋が深まった夜に、BASICといういにしえの言語に触れる機会があり、
なんかふと昔の記憶が甦ったので、この機会に書いておく。

1980年代後半に大学生活を送っていたわけだが、その中でも学園祭は
大きなイベントのひとつだった。
所属していたコンピューターサークル(厳密にはサークルではないのだが、
そのあたりの話は置いておいて)は毎年、コンピュータ占いの店を出していた。

だいたい1回300円程度で、いろいろな占いをやっていた。
この写真の後ろに料金表がある。

もう30年前だから時効だと信じて白状すると、当時本屋さんで売っていた
占いの本や雑誌の「性格診断」「相性診断」「心理テスト」なんかからネタを
頂いて、再構成したものを、プリントアウトして渡していた。
一冊に偏るとさすがにアレだってんで、いろいろ混ぜて構成はしていた。

事前にネタの調査を始め、一応ロジックらしきものも組み、プログラムを書いた。
画面はお客さんに見せないので、メインはロジックとプリントアウトの美しさ。
ほぼすべての占いはBASICで作られていた。ロジックが破綻しないよう、
どんな選択肢や生年月日であっても大丈夫なように、デバッグもだいぶした。
前夜には、かならず徹夜で泊まってデバッグをするというのが恒例だった。
10月下旬の時期は、昼間暖かくても、夜、すごく寒くなって震えてデバッグ
してた記憶がある。会場になった教室には事前にメンバーが自宅からPCや
プリンターを持ち込み、並べてカウンターにした。ブラウン管モニターの
奥行き感がすごいな(笑)

NECのPC-9801,PC-8801,富士通のFM-7,FM-8なんかが中心だったと思う。
オレは2年生からは「恋人リサーチ」というリアル出会いサービスを始めた。
本人の属性と相手に望む事を「ランダムファイル」というデータベース
もどきに格納し、相性がいい人の電話番号などを後日郵送でお知らせ
するという、昨今のような個人情報に神経質な時代では考えられない
ようなサービスだったが、4日間で男女合計2000人近くが登録していた。
一応、高校生不可にしてたが、基本自己申告だった。ごめんなさい。

マッチングは大変だった。ドンピシャだけを先にマッチングしてしまうと、
後半、ぜんぜんタイプではない人を紹介しないといけなくなってしまう
ので、各人をスコア化して、スコアの低い人からマッチングしたりと
いろいろ工夫もした。学園祭当日は紙で書いてもらっていたので、
後日の打ち込みもそれはそれで大変だったなあ。

当時の早稲田祭はなぜか入場料が取られていた。これが学生運動の
団体への資金源になっているなど、その後しばらくもめていたが、その後
どうなったのかは確認していない。
有料だったにもかかわらず、ものすごい人出で、出店は早稲田の学生だけでなく、
早稲田のサークルに入っている他大学の女の子たちもたくさん来ていて、
賑やかだったし、お客さんもたくさん来て、コミケのときのビッグサイトくらい
地面が見えなかったものだ。
有名芸能人のライブもたくさんあったので、前売り券を買って観に行ったりしていた。

占いは、携帯電話向けのサイトでいくらでもできるようになったので、
今となっては成立しないモデルのサービスだったが、用紙は1枚あたり10円、
プログラム代金はメンバーのボランティアだったので、粗利率96.7%という
驚異のビジネスだった。
売上は、メンバー全員のプリンタリボンの支給、ご褒美のフロッピーディスク支給、
一回だけ焼き鳥飲み食い放題の打ち上げ以外は部室に新しいPCやプリンタを
買う資金にあてていた。意外と真面目だったんだなあ(笑)

写真提供:Geru

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