それまでクラス会やら同窓会やら、ほとんどやってこなかった人々も還暦が近くなって、仕事や家族の環境に大きな変化がある年代になるとどうやら昔の仲間に会いたくなるらしい。日本人だけ?なの?
しかも日本には60歳を「還暦」として、ひとつに節目に扱ってる傾向があるので、このタイミングで集まろうとなるのは自然なことなのかもしれない。
親の介護が必要になったり、または亡くなってしまったり。
子供が結婚して孫がいる人もいれば、まだ子供がまだ小さくて学生だったりという人もいて、そのあたりはバラエティ。
仕事は早期退職?役職定年?継続雇用?給料半減?年金どうする?自分の健康・病気などなど、ちょうど60歳くらいにはいろんな転機があるので、同年代の誰かと話したくなる感じでちょっと人恋しくなるのかな。
という中で誰が言うでもなく、同窓会やろうよ的な声が上がってプロジェクトが立ち上がるわけで。
2025年2月開催で自分の高校時代の同窓会を企画し、開催したことから、後輩の皆さんへのアドバイスを残すという老害作業をしてみることにする。
個人的にはミニ「プロジェクトX」風の中のスーバルー笑
(1)日程と会場は半年以上前に決める
プロジェクトを立ち上げたのは2024年6月。幹事(言い出しっぺ)のTと、事務局(雑用)のオレの二人でスタートし、今でも常に連絡を取っている仲間数人に声をかけ、5人程度でプロジェクトを開始した。
とにかく日程を決めて場所を抑えることが大事。全体の人数の1/3~1/5くらいの数で予約するくらいでいいと思う。オレの場合には、高校があった千葉県JR市川駅前のホテルを6月に100人で仮予約した(同窓生は360人)。これは電話でOKだった。日程と場所が決まるだけでも、連絡した時に具体的な事が伝えられるので受け取った側の判断もしやすくなる。9月になってに「すぐ近くに他にいい会場がある」という情報があり確認してみたが、あらかじめ決めていた日程ではもう空きがなかったので、やはり半年くらい前には会場は決めてしまわないとダメみたい。
(2)各クラスでスタッフを決める
プロジェクトの立ち上がりの段階で全クラスのスタッフがそろっていなくても、半分くらいのクラスのスタッフが決まれば、まずはそこでキックオフミーティングをしておおまかなスケジュール感とか規模感を共有しておくといいようだ。当初スタッフのいなかったクラスからも後日立候補があり、ほとんどのクラスでスタッフが揃い、連絡係として機能するようになった。
(3)声がけをする母集団を形成する
やっぱりこういう時は運動系の部活のつながりは強固でアテになる。定期的にOB会をやってる部の人から繋げて行くことで告知が進んだ。Facebookの検索はあまり役にたたなかった。まず、登録している割合が低い上に検索されない設定いしている人もいるので、フルネームで検索してもまず引っかからない。結婚して名字が変わった人なんかの場合、まあ見つからない。
最終手段として9月頃、卒アルの巻末にある住所録にある住所へハガキを出すことにした。昨今の社会情勢から、「高校の同級生のXXです」と電話しても怪しまれるだけで、話が通じる気がしなかったこともある。また、封書ではなく、ハガキとすることで、内容を見ることができるため、受け取った実家の誰かも安心して本人へ渡してくれるだろう、という予測のもとだ。郵便番号3桁の40年前の住所に出しても、運が良ければ年老いた両親がまだ住んでいる可能性もあるが、到達率は低いだろう、と想定はしていた。結果として7割以上は宛先不明で戻って来たが、逆に言えば2割ちょっとは到達したらしい。これを読んだ人が、年賀状でつながっている友人に連絡してくれたりして、拡がりは生まれたので、効果はゼロではなかったようだ。
(4)サイトを作っておく
Googleサイトを活用して案内サイトを作っておいた。とにかく、このURLを拡散さえしてくれれば、届いて欲しい人に情報が届くだろう、というサイト。
日時と会場と申込みフォームへのリンクだけ貼っておけばOKだ。事務局の問い合わせ先のメールくらいは書いておいた方がいいかもね。
どこまでを公開にするか、非公開ページを作ってログインさせる?とかいろいろ考えたけど、60歳に近い人々はITフレンドリーな人の割合がギリギリ低いので、そういうところで敷居を高くしても誰も得しないので、公開ページのみとした。
会費は事前振込としたかったので、銀行口座の案内が必要だったが、これはフォーム入力があった人への返信メールに書くことにして口座情報の公開はしないようにした。
(5)意外な落とし穴は振込とキャリアメール
振込なんて、ネットで瞬殺という人も少なくない。メールを送信して数分後に振込を完了してくれる人も多い一方、「振込とは銀行へ行ってするもの」と思ってる人のなんと多いことか。チコちゃんに叱られろ。手数料だって高いし面倒くさいじゃん、とは思うものの、そういう人にそんな事、わざわざ言っても今回だけのことだし、「お手数おかけしてすみません」とお詫びをしつつ振り込んでもらった。結果としてメール送信後、数週間後に振込確認ができたという人も少なくない。
もうひとつの問題はdocomo.ne.jpとかezweb.ne.jpとか使ってる人。まさかフィーチャーフォンを使い続けてる人はいないんだろうけど、スマートフォンに切り替えても携帯キャリアのメールを使い続けてる人は少なくない。そして、今どきのキャリアメール、着信拒否の場合でもエラーメールを返して来ないし、サーバーまで着信しても迷惑メールフォルダに振り分けたり、着信の通知はするが中身を見せてくれない、みたなことまでするらしい。結果としてそれらのドメインを使っていて、メール着信設定を言われるがままにしているい人にはメールは届いていないのだが、オレの携帯のアドレスから転送したり、親しい友だちに聞いてもらったりして、なんとか口座情報は全員に伝わったようだ。gmail率はかなり高かったが、キャリアメールも10%はいたので、彼らに対するケアはしばらくは必要なのかもしれない。
(6)結局はLINE
facebookのグループとかメッセンジャーも使ってたけど、スタッフ間のやり取りも全体の連絡用も結局はLINEになっちゃう。まあ、キャリアメールを使い続けてる人でもLINEはやってるからね。還暦近い人でもLINE浸透率はかなり高いということがわかった。
スタッフLINEグループ、全体のLINEグループに加え、各クラスごとのLINEグループも作って事前のコミュニケーションを活発化させた。事前に「場を暖める」にはやはりLINEが最適なようだった。
(7)出席連絡があった人を公開
これが割と効果があった。申し込みフォームに入力があった人の名字だけ、案内ページに掲載した。こんな人が申し込んでますよ、と。「あいつが来るなら行かない」なんてネガティブなことよりも「あの人が来るなら私も行こう」と捉えてくれる人が多くて、参加者増加に弾みがついた。
当初、幹事チームでは「50人も集まればいいよね」という話でスタートした。100人の部屋は取ったものの、50人くらいだったら着席でやればいいし、とか言ってたけど、蓋を開けたら120人参加。先生も7人も来てくれて(生きてるだけでも奇跡な年齢の先生もいたりして)、立食で盛会となった。
今回隠れた功労者だったのは同窓生のM君。彼が母校の現役の教員だったことが同窓会の成功に大きく貢献してくれた。当日午前中に校内見学会を開いてくれたり、昔の資料や写真を図書室から発掘してくれたりして出席者への情報提供の厚みが出た。彼には会の最後に校歌の歌唱指導(笑)というライフワークも披露してもらい、同窓会の締めには大変ふさわしいものとなった。
これからしばらくは各クラス単位で旧交を温め、8年後、卒業50年の節目に再会することを約束して閉会とした。
うん、やってよかったよ。みんなありがとう。
p.s.
サイトのURLやハガキ文面の例は個別に問い合わせもらえれば共有しますので、ご連絡ください。