(お父さん) 不整脈治療でカテーテルアブレーション手術を受けた

26歳の時に大きな病気をして26年後、また病気になった。
病名は「心房粗細動」。わかりやい症状は「不整脈」。
仕事中とか、夜寝てる時とか、なんだか鼓動がやたらと速いタイミングがあるのは薄々気づいてた。
まあ、いい歳だし、ある程度の不整脈は仕方ないだろう、的な理解で放置してた。
ここ数ヶ月、発生頻度が増えた気がして。日に数回ドキドキするようになってた。
恋かな、とも思ったけど、ちょっと相手に心当たりがなかったので、いつも喘息の薬を処方してもらってる会社の隣のクリニックへ。
ホルター検査という24時間心電図を取るセンサーをつけて計測してみたら、一発で症状を確認。この頻度はちょっと看過できない、ということで治療することに。
左心房の動脈の周りで不正なパルスを出して鼓動を乱す因子がいることは判明しているらしく、そこをレーザーで焼いてパルスが届かなくすれば治る、という「アブレーション治療」というのが確立されていて、これを受けることにした。

病院はクリニックに紹介してもらった八景島シーパラダイスの隣にある横浜市立大学附属病院
事前に2回外来に通って検査と説明など。
もともと予約をしておいた月曜日に入院、手続きとそれまで飲んでた薬を受付で渡す。

病棟の人が迎えに来て、ベッドへ案内され、早速心電図モニター装着。
病室は八景島の海が見渡せる9階の4人部屋。
それにしてもこの病院、携帯で通話をしていい場所は限定されているが、病室で携帯もPCも自由に使っていい。しかも、電源タップまで無料で
貸してくれる。充電し放題、仕事もできちゃうじゃないかー。

すでに心電図が乱れまくっている様子が見て取れる。

初日はレントゲンと心電図を取ったら、あとは経食道エコー検査といって、食道から超音波カメラを入れて心臓に血栓がないかを確認。

結構つらい検査らしいけど、麻酔で寝てる間に終わっちゃったので、全然つらくなかった。

検査から戻ったら、こんな連絡板表示が。

ああ、そうですか、尿道バルーンですか、そうですか。憂鬱だなあ。
そして、うちの娘の似た背格好の看護士さんが電動シェーバー持ってきてくれて、「剃毛をお願いします(にっこり)」と。セルフでやるのか。
2階のコンビニで石鹸買ってきてシャワールームで自分でウイーンと。
詳細は割愛するが、つるつるにはならず、カテーテルを刺すあたりだけキレイにしてあとは適切なレベルで。
部屋に戻ったら看護士さんに「ちょっと確認します(にっこり)」と言われて確認してもらい合格をもらう。

少年のようにさっぱりしたキモチで、仕事のメールとかして初日は消灯。

明けて火曜日。病棟の朝は早い。隣のベッドのおじさんなんか、もう、4時くらいから起きてる。
まあ、9時消灯だもん、そうなるよなあ。6時になったらばっと電気着けてかってに起床(100kmハイクのアレを想像して欲しい)。
ほかのおじさんふたりも起き出してきた。
検温、血圧測定のあと、朝食を待ってたが、朝食抜きと気づいたのは先生が来た時。
あわててクスリのんで、儀式を実施。痛いよう。

そのまま9時の手術開始に向けて手術室へ移動だけど、え、自力で歩いて行くの?
この管入ってると歩く振動が響いて痛いんだってばー。ソロソロと歩いて移動。

乗って帰る予定のストレッチャには乗せてくれないらしい。

緊張気味に手術室へ。

手術台に横になったらテキパキとセンサー着けられて、両脚に血栓発生防止のマッサージ機みたいの巻かれて、紙かけられて見えなくなって麻酔されて寝ちゃったけど、右鎖骨下からと、左右の脚の付け根からカテーテルいれられてグリグリされてた感覚がしたのはうっすらとした記憶。
グリグリよりも麻酔の注射が痛かったなあ。
後から聞いたら、右脚の付け根からは3本の太いカテーテルが入れられて、心臓右心房の内壁の130箇所を焼いたとのこと。手術は9時開始、14時終了。
大体終わったところで起こされて、「ワンツースリッ」ってストレッチャに移されて病室へ。なんとなく意識はあったので、パターン分けして3つ書いてあったfacebook投稿用の原稿のうち、成功パターンのやつを投稿。
これから始まる6時間の動いてはいけない絶対安静をお友達の声援で乗り切ろうという作戦。これが的中して、かなり元気出たし気も紛れた。
声援をくれた友人たちに感謝。

6時間動かないで仰向けで寝てるのって、まじでツライのよ。
「動かない」のと「動いちゃいけない」の差は結構でかい。
腰とか完全にイヤになっちゃうし、気分悪くなるほど。
26年前もカテーテルで造影剤入れて検査したから初めてではなかったので余計ツライの知ってるから最初からここがキモだってわかってたさ。
麻酔できないからな、ここは。

左側臀部は26年前の傷があって、もともと血行が悪いので、この安静はだいぶ辛かった。左脚の付け根は細いカテーテルが一本だけだから、4時間後には膝を立てる許可がもらえて気分的も楽になった。右脚の付け根にはは太いのが3本入ったらしく、時間短縮は不可とのことだった。
そうこうして6時間の安静をクリアし、止血も確認され、寝返りまでOkに。
それにしてもあの管が違和感満載。
あと血栓防止のマッサージ機はずっとグイングイン動いてて近所迷惑な感じ。

寝たり起きたり、スマホいじったりしてようやく朝に。3日目。水曜日。
検温とか血圧測定とかしてたら、先生が来て、カテーテル刺したあたりのガーゼとテープ剥がしてくれたけど、これが、超強力で一部出血。あうう。
そして問題の管を抜いてもらって人間の尊厳を取り戻した。
同時に点滴の針も不要となって、残るは心電図モニターだけに。
10時までにレントゲンと心電図を取るために違うフロアに行くのに車椅子に乗せられた。安静が必要とのことらしい。これらを終えたら、「今日はもうイベントありません」と言われて仕事のメール処理開始。
完全にリモートワーク状態。
昼前に先生から明日退院を告げられた。
今回は「転移」とか「5年生存率」みたいな物騒な話しは一切ないので、本当にキモチが楽だ。

同室の方々は皆さん年齢的には10~30歳くらい上の方々で、初期の喉頭がんの方たちだった、となりのベッドのおじさんは抗がん剤で吐いてたり、向かいのベッドの叔父さんは明日手術だそうで、そわそわ落ち着かない。
なんども手術時間を確認し、家族の到着時間も確認したり。わかるわかる。
不安だよなあ、首のあたり切られるんだから。
大丈夫、オレも昔がんだったけど、今回はがんじゃなくて心臓だし、きっと治りますから、と先輩たちをなぐさめたりしてね。

3日目のランチは金沢八景ならではのシーフードパスタ(違)

午後もパソコン見てたら、明日の会計の概算が到着して目眩しそうだったけど、
動悸はなかったので、手術の成功を確信したなど。

4日目木曜日の朝、

波形も数値も正常と確認され退院。
食事の数分後にバクバクしたり、寝てて急にドキドキするなんてことは手術以来、一度も起きてないので、手術は成功しんたんだと信じて。
成功率というか寛解率は70%で、2回めをやる人もいると聞いてたのだが、それはなさそうな予感がしてる。

この病気の要因は遺伝とストレス。
手術を決めた頃、父親へメールで確認したところ、彼にも不整脈があり、いろいろ治療を受けていたことが判明「すまんすまん、お医者さんから息子たちへ言っておくよう言われてたんだったよ」って、遅せーよ(笑)
ただ、彼はアブレーションまではしてないらしい。当時はまだ手術方法が確立してなくてリスクが今よりたかかったからとのこと。
お詫びのつもりか、ここ数年の神奈川県内の病院のアブレーション手術の実績データとか調べて来て、その病院で本当にいいのか?とか言って来たり。
3日目に見舞いに来たが、全然普通なオレを見て拍子抜けしてた。

さて、26年周期での大病ということなら、次は78歳の時の予定だが、それまで生きてるかな、オレw

<まとめ>
・医学の進歩ってスゴイ
・病院のIT化もすごい
・じいさんは入院するとダダっ子少年になる
・布団にネコいないと寂しい

(後日追記)
経過観察で診察を受けた時に、電子カルテで心臓への照射位置の画像を
見せてもらった。画面の撮影はOKだったので、撮ってきた。
こんな感じ。

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